渡邊義明牧師
イエス様の弟子たちが一つになって集まっているところに聖霊が注がれて、大きな変化が起こりました。彼らは他の国々の言葉で、神の偉大なわざを語り出したのです。周りに集まってきた人々は驚き、とまどい、中には「あの人たちは、新しいぶどう酒に酔っているのだ」と言って、あざける者たちもいました。
☆ 立ち上がったペトロと11人の弟子たち
するとペトロは11人と共に立って、
「皆さんどうぞ私の言葉に耳を傾けてください。私たちは、酒に酔っているのではありません。そうではなく、これこそ預言者ヨエルを通して言われていたことなのです。」と、声を張り上げて話し始めましたが、その内容は、
神は終わりの時代に、すべての人に自らの霊、すなわち聖霊を注ぐと言われた。
そのとき天に不思議なしるしが、地には血と火と立ち込める煙がしるしとして与えられる。
しかし、主の名を呼び求める者は皆、救われる。
ということです。そしてさらにこう続けて言いました。
あなたがたの間で奇跡と不思議な業を行ったイエスこそ神から遣わされた方であった。
しかし、あなたがたはそのイエスを十字架につけて殺してしまったが、神はこのイエスを復活させ、あなたがたの主、またメシアとされ、約束された聖霊を注いでくださった。
あなたがたは、今このことを見聞きしているのだ。と
☆ 自らの罪の自覚と神への畏れ
これをきいて、人々は大いに心を打たれました。なぜなら、彼らはメシア(救い主)の到来を、切に待ち望んでいたに違いないからです。しかし、そのメシアを、自分たちの愚かさ、罪深さ、弱さによって、十字架につけて殺すという大変な罪を犯してしまったのですから。
聞いていた者たちは、自分たちが大罪を犯したということは、はっきりと自覚しました。しかし、どうすればよいのかわからなくなったのです。そして、おそれにとらわれました。
☆ 悔い改めなさい。そうすればあなたの罪は赦される
ペトロは、自らの罪を自覚し、おそれにとらわれた人々に、
「悔い改めなさい。そして悔い改めのしるしとして、めいめいイエスの名によって洗礼を受けなさい。そうすれば罪は赦され、聖霊の賜物が与えられる。」と語りました。
これらのことはペトロを通して聖霊が語ったことです。
神は聖なる方であり、わたしたちの罪を見逃すことはなさらず、終わりの時には必ず恐ろしい裁きを下されます。しかし、同時に神は、まことに憐れみ深い方であり、その裁きからの逃れの道をも備えてくださっております。それが、悔い改め、キリストを信じ、洗礼を受け、罪の赦しを受ける道です。その時、助け主なる聖霊が賜物として与えられるのです。
聖霊はまず、私たちすべての者が聖なる神の前には罪人であるということを明らかにします。
そして、そのとき、神に救われるべき人々には、必ず聖なる畏(おそ)れに襲われます。それはまさに恐怖の感情です。しかし、聖なる恐怖を感じることは良いことなのです。それは正しいことです。そのとき初めて神から遣わされた救い主を受け入れることができるからです。
悔い改めとは、神に背を向けて生きていた姿勢から、神を信じ、神に近づく姿勢に改めることです。キリストは、私たちが、父なる神のもとに戻れる道を造るために来られたのです。