先日、台湾の元総督、李登輝氏が天に召された。彼は敬虔なクリスチャンでもあった。そして、台湾を民主化するために中国大陸から来た国民党の高齢化した国会議員600人を一人一人説得して議員を辞任してもらい、台湾国民による直接選挙を実現するという「静かな革命」を成功させた人であった。
旧約聖書の創世記にノアの箱舟の話が記されている。当時はネフィリムと呼ばれる名高い英雄達が地上を支配していた。しかし、彼らの心は悪に染まっていた。また、人々は飲んだり食べたり、嫁いだり娶ったり、売ったり買ったり、植えたり建てたりしていた。それ自体は別に何も悪いことはない。ごく当たり前の人間の営みである。しかし、彼らは地上の事だけに心を奪われ、自分たちの造り主である神を忘れた。彼らは神に無関心であった。それを、罪という。聖書でいう罪とは、神から離れることなのである。
それ故に、彼らの心は堕落していった。貪欲や、妬み、敵意、自己中心、高慢などに染まっていったしかし、ノアは神の好意を得た。ノアは神に従う無垢な人であった。ノアは神と共に歩んだ。それは、ノアには信仰があったという事だ。それゆえに、神はノアを救い、神に無関心だった人々をすべて洪水で滅ぼした。そして、今度は火によってノアの時代と同じことが起こるというのだ。
李登輝が敬愛していた新渡戸稲造を継いだ矢内原忠雄の愛唱聖句はイザヤ書30章15節
『まことに、イスラエルの聖なる方、わが主なる神は、こう言われた。「お前たちは、立ち帰って静かにしているなら救われる。安らかに信頼していることにこそ力がある」と。』
これは紀元前8世紀、北方から強大なアッシリア帝国がイスラエルを攻め滅ぼしに来た時、高官たちは南方のやはり強大なエジプト王国に助けを求めようとした時に、神が預言者イザヤを通して語られた言葉である。大国に圧迫された危機の時、他の大国に頼るのではなく、天地万物を支配している真の王、神のもとに行き、静かに信頼していなさいという事である。その時、奇跡が起きた。眼前まで迫っていたアッシリアの大軍が神の使いによって打たれて、敗走したのである。
今、世界には、国と国の争いの噂さえ流れている。私たちはやがて現れる神の国の民として、最後までキリストに従い、安らかに信頼して平和を造るものとして歩みたい。
3:13しかしわたしたちは、義の宿る新しい天と新しい地とを、神の約束に従って待ち望んでいるのです。
3:14だから、愛する人たち、このことを待ち望みながら、きずや汚れが何一つなく、平和に過ごしていると神に認めていただけるように励みなさい。