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礼拝メッセージ

「聖なる者」
1テサロニケ5章16節~25節

渡邊義明牧師 

現代は「うつ」の時代と言われるほど、うつ病患者が増えています。
心理学者の諸富祥彦氏は「一億総うつの時代」とまで言っており、それほど「ふさぎこむ
感情」「不眠」「無気力」「罪の意識」「食欲不振」「希死念慮」に悩み苦しんでいる人が多い
ということです。さらに高度にデジタル化された現代社会や薬品による精神医療の仕組み
が、人をさらに孤立させ「うつ」へと追い込んでゆくところもあるようにも見えるのです。
☆いつも喜んでいなさい
しかし、このような時代に生きる私たちにも、神は預言者パウロを通して言います。
「いつも喜んでいなさい」と。
自殺研究の第一人者であり森田療法の継承者でもある精神科医の大原健士郎氏は「現実か
ら逃げ出したい、死にたいと願いながらも、助けられたいと願う彼らには暖かい人間関係
だけが救いである。」と訴えています。もちろん暖かい人間関係が、うつで苦しむ人たち
にとって非常に大切なことに異論はありませんが、聖書が私たちに一貫して伝えているメ
ッセージは「あなたを造られた神がこの地に遣わされた救い主を信じることによって、う
つからも解放され、暖かい人間関係も与えられます。」ということです。そして、救い主
イエスを信じたあなたを、神はいつも絶対の愛で愛してくださっているのだから、この神
が共におられる事実をいつも喜んでいなさい、と言われるのです。
☆絶えず祈りなさい
祈りとは神との交わりであり、神とつながることです。つまり、あなたを絶対の愛で愛
しておられる神と祈ることによって絶えずつながっていなさい、ということです。
どんなささいな事、つまらないこと、についても神に祈ってよいのです。短くても良いで
すから、ひんぱんに絶えず神に祈るのです。車の運転をするときも、料理をするときも、
気分が落ち込んでいるときも、勉強をするときも、人と会う時も、物をなくした時も、悪
い思いが心に浮かんできた時も、失敗をしてしまった時も、不安が襲ってきたときも、ど
んなときにも、絶えず神に心を向け、正直に自分の気持ちを注ぎだし、謙遜に助けや守り
や導き、力や知恵を求めて祈るのです。自らの力の小ささを認め、あなたを助けたいと常
に見守っていてくださる神に素直に頼るのです。
☆どんなことにも感謝しなさい
預言者パウロが、テサロニケ(現在のギリシャにある都市)で福音を宣べ伝えた結果、新
たに教会が誕生しましたが、反対者からの妨害や迫害、中傷を受けていたこと、また、教
会の中にも怠けている者や気落ちしている者、弱い者たちがいたことも記しており、決し
て喜ばしい状況ばかりではなく、内にも外にも問題だらけであったことがわかります。そ
れなのに、なぜ不平や不満ではなく感謝ができるのか。やはりそれも神とのつながりがな
くては不可能です。神は御子を信じる者を、御子の栄光の似姿に変えられるのです。それ
も、苦難を通して。苦難は忍耐を生み出し、忍耐は練られた品性を生み出し、練られた品
性は希望を生み出す、とローマの信徒への手紙に書いていますが、この望みのゆえにパウ
ロは、たとえ苦難の中にあっても感謝できるのです。
実は私も、うつから生還した一人です。罪の意識や焦燥感、劣等意識などに囚われ、気
持ちは沈み込み、死にたいと思い、不眠に陥り、また、自分自身に対しても「死んでしま
え!」と心の中で責め続けるような、狂気に陥った地獄のような苦しみの中で、ただ、聖
書に記されている「苦しんでいる人がいたら祈りなさい」という御言葉を信じて、心から
切に祈ることによって、孤独な闇の地獄から神と共に生きる光の国へと救い出されたので
す。私達の鬱と狂気を完全に癒すことのできる真の医者はただ一人イエス・キリストです。