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礼拝メッセージ

「兄たちとの再会」
創世記42章

渡邊義明牧師 

いよいよ10月に入りました。実りの秋ともいいますが、ヨセフの人生にも神の恵みが豊かに実りつつありました。ヨセフの生涯の特徴を一言で言うなら、「主が共におられた」と言うことに尽きるでしょう。主が共におられたゆえに、ヨセフには信仰が与えられ、試練と共に恵みが与えられたのです。ヨセフは目に見えるものによらず、信仰によって歩んだ人物でした。それゆえ希望をもって忍耐し、神の定められた時に約束の祝福を得たのです。

☆神の啓示が実現するとき

 神から夢解きの賜物を授かっていたヨセフが、ファラオの見た夢から解き明かした通り、エジプトには7年間の大豊作が訪れました。その間、総理大臣となったヨセフの監督のもと、エジプト中の穀物が海辺の砂ほども蓄えられました。そしてやはりヨセフの預言通り、7年間の大飢饉が始まり、その飢饉は世界的なものであり、ヨセフの故郷カナンの地にも及んだので、ヨセフの10人の兄たちはヤコブに言いつけられ穀物を買いにエジプトに来たのです。

エジプトの総理大臣となって穀物を管理していたヨセフのもとにやってきた彼らは、地面にひれ伏してヨセフを拝しました。一目見てヨセフは兄たちだと気付きましたが、兄たちは、まさか目の前の総理大臣が弟のヨセフなどとは気づくわけもありません。

穴に落とし、奴隷として売り飛ばしたあの日から、もはや20年が経っていました。

しかし、ヨセフはそのとき、かつて夢で見た光景を思い出したのです。

そうです、少年時代に見たあの夢。兄弟で畑仕事をしていたとき、ヨセフの束だけが立ち上がったかと思うと、兄たちの束が周りに集まってきて、ヨセフの束にひれ伏したあの夢です。

☆後、悟るべし

 あの少年時代に見た夢が、このような形で実現しようとは、その時までヨセフにも分からなかったことでしょう。神の計画も、また神の導きも私たちの思いを遥かに越えています。

わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり、わたしの道は、あなたたちの道と異なる、と主は言われる。天が地を高く超えているように、わたしの道はあなたたちの道を、わたしの思いは、あなたがたの思いを高く超えている」イザヤ書55:8~9

ヨセフは神からの啓示を夢によって与えられましたが、それが実際にはどのように現実化するのか、までは明確に理解していた訳ではありませんでした。

しかし、神の定められた時が来て「あの夢は、こういうことだったのか!」と初めてリアルに悟ったのです。

イエス様も「あなたがたは、今は分からない。しかし、後で分かるようになる。」ヨハネ13:7

と言われました。

☆やがて顔と顔を合わせて見るときが来る

 神は今も御言葉と聖霊によって信じる者たちに啓示を与えておられますが、私たちは、まだそれがどのような形で現実化するのか、今はっきりと知っているわけではありません.

しかし、その時が来たならば、「あの御言葉は、こういうことだったのか!」と、深く悟ることになるでしょう。

神は、その独り子をお与えになったほどに世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」ヨハネ3:16

永遠の命。それはどのようなものでしょうか。今、私たちは明確には理解していません。

しかし、その時になって、初めて「こういうことだったのか!」と悟ることになるでしょう。