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礼拝メッセージ

「主が与える勝利」
創世記14章10〜16節

ちょうど76年前の今日8月15日に日本がポツダム宣言を受諾し無条件降伏をする事により多くの尊い命を奪った太平洋戦争は終結しました。日本は当時、中国の鉄や石炭、石油などの豊富な地下資源を目当てに侵略戦争をしました。
今日の聖書箇所には、初めて国際戦争のことが記されています。東のメソポタミア連合軍と、西のカナン連盟軍が死海沿岸で激突したのです。この時代は青銅器時代であり、この戦争も地下資源を巡っての国同士の争いであったようです。
東のメソポタミア軍に12年間支配されていた西のカナン軍が反逆を企てましたが、逆にさらなる猛反撃を受けて打ち負かされてしまい、この時ソドムに住んでいたアブラムの甥のロトも捕虜として連れ去られてしまいました。そのニュースを耳にしたアブラムはすぐに軍事訓練を施した奴隷318人を招集しロトの救出に向かい、夜、敵に奇襲攻撃を加えてロトを救出することに成功し、すべての財産も取り返す大勝利を収めたのです。

☆信仰により勇気を与えられたアブラム

エジプトでは人を恐れ、嘘をつき、妻を犠牲にしてまで自らの命を守ろうとした弱さがあったアブラムでしたが、この時は自分たちの数百倍も多い敵の軍隊をも恐れず向かってゆきました。その勇気はどこから来たのか。それは全能なる神からです。万軍の主が常に自分と共にいてくださることを固く信じる信仰によりアブラムは勇敢なものに変えられたのです

☆ わたしたちの本当の敵

このとき、アブラムは自分の小さな軍隊によってメソポタミア軍という非常に大きな敵と戦い、大勝利を収めたわけですが、これをそのまま私たちの人生に当てはめて、「私は神を信じているから、必ず大きな敵にも勝利できる。」などと考えて、人と争ったり、ましてや人を殺す戦争をするなどということは、まったく的外れの聖書解釈と言わざるを得ません。なぜなら、キリストを通して神はご自分の御心を完全に明らかにされたからです。未成年の時代は過ちを犯しても赦されますが、成人になればより高い倫理が求められるように、人類の歴史においても神は時を定めて御子キリストをこの地に遣わし、その時より、完全なモラルを人類に与えたのです。「何事にも時があり、天の下の出来事には、すべて定められた時がある。」(コヘレト3:1)
その一方、聖書を通して示されている真理は共通して存在している、とも言えます。それは、私たちの人生には戦いがあるということ。時には自分の力をはるかに超える敵とも戦うことが必要な時もあるということ。しかし、その敵にひるまず、向かってゆく勇気と勝利は、主により頼む人に与えられる。ということです。
そして、私たちの本当の敵とは、血や肉を持った人間ではなく、肉体のない者、すなわち目に見えない悪魔であり、悪の諸霊であると聖書は教えるのです。

☆ 人生における真の勝利の秘訣は主と共にあることにある

人生は戦いの場であり、敵は目に見えない悪の諸霊です。それは私たちを決して幸福にすることがないばかりか、私たちを滅びに導く悪い考え、有害無益な思考や感情を意味します。すなわち「恐怖、不安、不満、疑い、無力感や虚無感、怒り、憎しみ、罪の意識、等々。これら霊の敵に対する勝利は主に依り頼むことにより必ず与えられます。
この戦いに勝利をするためには、神の武具である神の御言葉と、信仰による祈りです。「キリストはすべての敵を滅ぼし、最後の敵として、死が滅ぼされます」1コリント15:26死からの復活を通して、不滅の命を現したキリストを信じる信仰こそ最強の武具なのです。「いかに幸いなことでしょう。あなたのよって勇気を出し、心に広い道を見ている人は」詩編84:5